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  • ogralian

〜作曲工房の流れ〜


こんにちは。


いよいよ年の瀬、寒い日が続きますがお変わりありませんか?

年末でお忙しい最中だとは思いますが、束の間おくつろぎ下さい。(^ ^)


前回のBlogで仕事場の断捨離&改造・整理について書きました。


ワンルームの仕事部屋を、いくつかのコーナーに分けて『作曲』と『レッスン』など仕事の効率アップを試みたわけですが、事務コーナーやお客様用のソファー、鳥さんがいるケージのコーナーなどの業務スペースが部屋全体の約半分。

残りの半分はピアノ、譜面用製図机、パソコン用デスク、本棚、譜面用本棚と五線紙の区分けできる棚・・という具合にそれぞれコーナーを分けています。


***


その中で「作曲という作業」の流れ・・となるわけですが、先ずはピアノでの作業。

このピアノは、15年前にこの仕事場に移る際に新調したKawaiの小型のグランドピアノに、特別な消音装置を上向き・下向きにそれぞれつけてもらったもので、コンパクトなサイズも含めてどこに置いても24時間音が出せる(もちろん消音装置を稼働して)といった仕様となっています。


私の場合の作曲の手順として、先ずは確信を得るまではピアノに向かって何度も音をチェックして無駄な音を削ぎ落とし、メモを取り、といった作業を全てピアノを使って実際の音を確認しながらやります。思っているイメージを膨らませながら。


この間はズッとピアノに張り付くような感じで、納得がいくまでピアノとの格闘・・と相成るのですが、Strawinskyも言っていますが、


『私の場合、実際の音を確認するためにいつもピアノでデッサンを取った・・』


僕の場合もピアノを使って=自分の音の『実体』に触れる=が不可欠な作業になり、かなりの時間をそれに費やします。

また時には、刺激やインスピレーシを得るためや気分転換のために、他の作曲家の曲を弾いてみたりすることも多いです。


特に''BachのFuga''は、自分の作品に向かう前に気を引き締めるため?必ず弾いてみる、ちょっとした『定例の儀式』となっています。

このBachの作品から伝わる緊張感、厳しい様式美にあらためて触れることで、自分の気を引き締めてくれる・・については、また別の機会に書きますが・・。


という訳で、先々育ててゆく素材と捨てる素材、などが未整理のままでいつもピアノの周りに乱雑に散らかっている・・といった状態ですが、僕にとってこの時のピアノの存在は、


〜実際に音を確認し、紡ぎ、楽想の叩き出しのための『打出の小槌』〜


といった重要な役割りを担ってくれています。


さて、そんな『打出の小槌』で叩き出した楽想(時には単なる音の塊やスケールのような素のままの音列そのものだったり)を、イメージが消えないうちに「横移動」して、今度は製図机に向かって五線紙に「音符」として埋め込むことになります。


この段階では、必要な楽器や見やすい譜割りへの、いわば「譜面起こし」・・のような作業になるのですが、実際にピアノで叩き出した楽想が譜面として定着するまでには何度も書き直しが必要で、デッサン用の小さいアンサンブル・スタイルでの譜面の描き損ねや、定着せずに失敗した譜面などの大量の譜面のゴミ?が生まれます。


実際に、耳から音としてイメージした『音楽の卵』を、今度は視覚的に譜面として定着させる・・という作業をする訳ですが、こいつがいつでもなかなかの苦行で、聴覚的に「捕まえた!」と思ったハズの楽想が、視覚的な譜面へ、と思うように素直には収まってくれず、何度も何度も失敗をしては書き直す、拍子や音符価値を変えてみたり・・といった試行錯誤の悪戦苦闘が続きます。


耳での音のイメージが、スラスラと譜面の景色として定着してくれればいいのですが、まぁ、大抵は一番苦しい作業・・かなぁ。

それだけにキッチリとイメージ通りの譜面の景色・エクルテュールとして定着した時の手応えは確実なものなのですが・・。


ようやくイメージの定着に成功した・・と思う楽想を、今度はパソコンに向かってスコアに落としていきますが、これはなかなかに楽しい作業で、何も書いていないフルスコアの五線紙に向かうといつも何ともいえずにワクワクします。


ただ、このパソコンを使ってのスコア作業は、ごく最近まで、手書きの方がずっと速い・・との思いで中々定着せずに遠ざけて来ていた作業なのです。


作譜ソフトは『Finale』と『Sibelius』、をMac Bookに両方インストールしてあるのですが、いつも打ち込みをするのは、ある程度手書きで譜面のレイアウトを決定した後の作業、と考えていたので結構遠ざけてきた感が強いのでした。


それが、今回新しく導入した『HHKB』というBluetoothキーボードのお陰で、譜面の入力がズッとやりやすくなったことなどもあって、消したりコピーして貼り付けたりといった、手書きだと逆に手間のかかる作業が軽くなり、


『パソコン上での試行錯誤』


が可能になったのです。


このパソコン環境や新兵器・『HHKB』のことについては、次号で詳しく書きます。

お楽しみに!



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